使い方
株式配当金の益金不参入明細
当期に受取配当金等の入金がある場合、この「受取配当金の益金不参入明細」画面が表示され、受取配当金の益金不参入の額を計算設定をします。その上受取配当金には、下表のとおり2つの節税要素があり、この画面で設定することにより、両方の処理をおこなってくれます。
1 | 源泉徴収税の控除 | 配当金を受取った時点で所得税(上場株式で7%)が天引きされていて、 法人税の先払いをしたこととなっていて、この画面でこれらの税額控除を請求します。 ただし株式保有期間等により所得税の全額を控除されない場合もあり、その算出も同時に行われます。 |
2 | 配当金の益金不参入 | 配当金は、支払側の法人で法人税を差引いた後の額から支払っており、 受取側の法人では、決算時にその収益にも法人税がかかってしまいます。 この2重課税を避けるために法人税の申告時において配当金を「益金不参入」扱いとします。 ただし保有株式の種類や保有期間等によって益金不参入の額が異なります。 |
1.源泉徴収の控除(還付)について
配当金の額は右図の通り、配当金額から所得税が源泉徴収され、天引きされた残りの額が実際の受取額となっています。そして天引きされた所得税(国税)は、法人税(国税)を先に支払ったことになり、この税額を法人税から控除してもらう必要があります。法人税確定申告書ではこれら先払いした所得税の控除を請求します。
ただし控除請求する額は、その株式保有期間から「個別法」と「簡便法」の両方で算出し、その大きい方の額を請求します。楽々法人税では、設定されたデータから「個別法」と「簡便法」の両方を算出して、自動的に大きい方を選択し、別表に記載します。
- 預金等の受取利息にも所得税が源泉徴収され、 別表六(1)であわせて控除請求します。よって株式等を保有し受取配当金がある場合は、申告の煩わしさは同じなので、「当期中の受取利息から源泉徴収された所得税額」に設定して所得税控除を請求するようにしてください。
- 法人名義の株式配当には所得税7%のみで地方税はありません。(未公開株所得税は20%です)
- 配当受取時の所得税処理科目は「法人税、住民税及び事業税」で処理しますが、法人によっては「公租公課」「仮払金」「仮払法人税」等でも処理されています。「法人税、住民税及び事業税」以外の処理に対しては、期末に「法人税、住民税及び事業税」に必ず振り替えてください。
2.配当金の益金不参入
配当金は、支払側法人が法人税を差引いた後の額から配当を支払っており、受取側の法人もが所得とみなして、決算時にその所得にも法人税を掛けますと2重課税となってしまいます。そこで受取側法人の申告時において配当金を「益金不参入」扱いとします。
ところが銀行預金をする代わりに株式を購入した場合など、受取利息は益金算入でありながら受取配当金を益金不算入扱いすることに、合理的な理由付がありません。こんなことから平成27年度より、さらに持株比率の小さい株主には、さらに益金不算入比率が小さくなりました。
持株比率 | 益金不算入額 |
---|---|
100% | 全額 |
100%未満-33.3%超、 | 取配当額 - 額負債利子 |
33.3%以下-5%超 (非支配) | 受取配当額×50% |
5%以下 (その他) | 受取配当額×20% |
※負債利子とは、株式を購入するために借り入れた短期借入金支払利息(負債利息)です。
※益金不参入の制度は、もともと25%以上を保有する支配目的株式に適応する制度で、財テクや安定株工作等の株式には50%しか適応されません。
株式配当金の益金不参入明細設定項目について
以上の通り、受け取り配当金には、大きな節税効果があります。該当株式の「株式配当明細書」や「株式配当金領収書」等からこの画面に転記して設定下さい。以下これらの設定項目を説明します。
項目名 | 内容説明 |
---|---|
銘柄 | 株式の銘柄名(10文字以内) |
住所(略式) | 都道府県名+市町村名のみ(10文字以内) |
種類 | 非支配/その他 |
帳簿価格 | 有価証券勘定科目の期末現在の帳簿価格 ※合計帳簿価格が有価証券期末帳簿価格と一致させてください。 |
配当収入額 | 所得税の源泉徴収額 該当法人から郵送(配布)された「株式配当明細書」等から転記 |
所得税額 | 該当法人から配布された「株式配当明細書」等から転記 |
期首株数 | 期首の該当株式所有株数 |
期末株数 | 当期末の該当株式所有株数 |
基準月数 | 配当を支払った該当法数 ※一般的には6ヶ月又は12ヶ月 |
所有月数 | 配当を支払った該当法人の配当基準月数のうち、所有した月数(取得及び売却した月も含めて算出) |
短期 | 配当計算期間の末日から1ヶ月以前内に取得し、且つ末日から2ヶ月後以内に売却した株式には短期所有としてクリックを入れてください。(配当の取得目的と判断されて、益金不参入の対象外となります) |
短期借入の支払利息 | 支払利息のうちの短期借入の支払利息額 |