使い方

地方法人税の創設と地方税率の改正

地方法人課税の偏在是正を目的として、平成26年3月31日に下の税制改正が公布され、期首日が平成26年10月1日以降に開始する事業年度の法人から①及び②が適用されることになりました。

①地方法人税(国税)の創設

地方の偏在性を是正する目的から地方法人税の創設されました。
この地方法人税の創設は道府県民税や市町村民税の税率を引き下げて、その分(4.4%)を地方法人税として法人税とともに国が徴収します。国はこの税を偏在是正を目的として都道府県に再配分するようです。具体的税制改正は以下の通りです。

<地方法人税と住民税の標準税率>課税標準:法人税額 ( )書は制限税率

税の種類 改正前の標準税制 改正後の標準税制
地方法人税 (国税) --- 4.4%
道府県民税法人税割 5.0% 3.2% (4.2%)
市町村民税法人税割 12.3% 9.7%(12.1%)

上表の税制は標準税率で、制限税制は( )書で表示され上限が定められています。そしてこれらの制限税制は各地方自治体で定められており、法人の所在地毎に調べる必要があります。

②地方法人特別税の一部を法人事業税へ復元

もともと地方法人特別税も平成20年に地方の偏在性を是正する目的で事業税率を引き下げて、その相当分を地方に譲与するために創設されたの暫定税制でありました。よって今回の地方法人税創設にともない廃止するべきとの声も聞かれましたが、約半分を事業税に復元することとり、具体的には下表の通り事業税を増税し、その分を地方法人特別税を減税しました。

<法人事業税の税率>課税標準:所得金額

所得金額 改正前の税率 改正後の税率
年400万円以下の所得 2.7% 3.4%
年400万円超800万円以下の所得 4.0% 5.1%
年800万円超の所得 5.3% 6.7%

<地方法人特別税率 (外形標準課税不適用法人)>課税標準:事業税額

事業税額 改正前の税率 改正後の税率
地方法人特別税の税率 81.9% 43.2%

楽々法人税の対応

楽々法人税は法人情報画面にあります期首日を平成26年10月1日以降に設定されますと、自動的に地方法人税が適用され、同時に県民税や市民税及び事業税、地方法人特別税が新税率に設定されます。さらに新様式での申告書で作成されますようにプログラムされています。
※地方税均等割額については、従来通りの均等割額が継承されます。

注 意
道府県民税や市町村民税は改正後の標準税率を適応しましたが、市町村によって制限税率までの税率設定されている場合があります。よって各法人様は、お手数でも管轄市町村にご確認ください。次のような検索キーワードを使ってネットでも確認できます。そしてもし市町村民税が違っている場合は修正下さるようお願いします。
「法人市町村民税 所轄市町村名」